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  • 犬の会陰ヘルニア
    8歳のMIX、男の子です。最近おしりが腫れてきて、便が出にくいようです。確かに腫れていますね。指で押すと元の位置に戻ります。腫れの正体は宿便の入った腸でした。会陰ヘルニアです。下腹部のレントゲン写真です。やはり腸が会陰部にはみ出してしまい、便がそこで停滞しています。腸がヘルニア部をお迂回するため、便が出にくかったんです。会陰部の壁が老化などによりぜい弱になり、壁が破れて腸がはみ出してしまう病気です。去...
  • 犬の乳歯遺残
    1歳5ヶ月のMIX、男の子です。左上の犬歯の乳歯が残ってしまいましたね。本来犬種によってやや違いますが、生後4~7ヶ月にかけて前歯から順次永久歯に生え変わります。抜けた乳歯を発見することもありますし、そのまま飲み込んで便で排泄されることもよくあります。この時期おもちゃやドライフードをかんで血が付くのもそのためです。ただし、このように乳歯が残ってしまうこともあります。乳歯遺残です。永久歯と乳歯のすき間がせ...
  • 犬の変形性骨関節症(DJD)
    12歳のチベタンテリア、男の子です。左後ろ足のかかと内側に3cmの大きな腫瘍ができてしまいました。本日外科切除いたしました。脂肪腫のようにも見えますが、病理検査に送ります。歯石と口臭があります。せっかくの外科手術で麻酔していますので、歯石除去を行いました。股関節にゴリゴリとした音が出ていることに気付きました。股関節のレントゲン写真を撮影すると、大腿骨頭、寛骨臼の大きな変形(赤い円内)がありました。犬の変...
  • 犬の子宮蓄膿症
    12歳のビーグル、女の子です。元気、食欲がなくなり、ぐったりしていました。陰部より膿が出ており、レントゲン写真にも健常であれば写らない子宮が写っています(緑矢印)。超音波検査でも子宮内に液体貯留を認めました。直ちに外科手術を行いました。診断通り、子宮は腫れ上がっていました。子宮蓄膿症です。子宮蓄膿症は診断は非常に容易ですが、動物の状態は様々です。子宮自体が独立した臓器なので、かなり病気が進行してから来...
  • 犬の皮膚乳頭腫
    13歳2ヶ月のラブラドール・レトリバー、女の子です。左の臀部に1cm弱のデキモノです。赤く炎症のようですが、抗炎症剤に反応しません。やや増大傾向にあり、自潰していたため、外科切除な腫瘍か、部分切除生検を行いました。病理の結果、表皮組織の乳頭腫と呼ばれる良性の腫瘍でした。転移することもないと思われます。良かったですね。お大事に。ファミリー動物病院...
  • 犬の肥満細胞腫
    先日手術で摘出した皮膚腫瘍は残念ながら肥満細胞腫という悪性腫瘍でした。外観は経験上あまりよいものではなさそうでなかったで、切除した腫瘍は通常ホルマリンに漬けて、病理検査に送るのですが、一部を生理食塩水に漬けて冷凍しておきました。結果、冷凍した組織を遺伝子検査できるようになりましたので、新発売される分子標的薬がとてもよく効く可能性があります。遺伝子検査は冷凍した組織を使います。抗がん剤頑張りましょう...
  • 犬の脳腫瘍
    13歳2ヶ月のフレンチ・ブル、女の子です。急にフラフラしたり、神経様症状がありました。てんかんのような発作性の症状はありませんでした。いつもお願いしている所でCTを受けていただきました。やはり脳内に腫瘍がありました。造影剤が白くリング状(赤い円内)の特徴的な増強像、中央ラインが腫瘍により片側に押しやられています。外科適応が難しい位置なので、内科的にコントロールしていくことになりました。以前外耳道に癌もあ...
  • 犬の悪性黒色腫
    15歳3ヶ月のパピヨン、男の子です。下の歯肉に黒い柔らかいできものが出来ました。少し口唇をめくらないと見えない位置です。生検したところ、悪性黒色腫(メラノーマ)でした。犬の口腔内腫瘍の中では多い癌です。抗癌剤が効きにくいので、外科切除が一般的ですが、アゴを切除しないといけないのとなりません。転移率も高いので、予後が心配される病気ですね。お大事に。ファミリー動物病院...
  • 犬のアポクリン腺腫
    10歳4ヶ月のフレンチ・ブル、男の子です。男の子なのに右の第二乳頭が赤く腫れ、根元にしこりがありました。乳頭炎の治療に反応はなく、乳頭から滲出液も出ています。オスの乳腺腫瘍はその多くが悪性度の高いがんなので切除いたしました。病理の結果は乳腺腫ではなくアポクリン腺腫と呼ばれる良性腫瘍でした。アポクリン腺なので汗腺が腫瘍化したものと思われます。汗腺の腫瘍なので乳頭から分泌液が出ていたようです。切除してよ...
  • 分子標的薬
    犬用の分子標的薬がいよいよ数カ月後に日本でも発売されます。人間の医学会ではすでに使用されて久しいがいよいよ動物医療でもその恩恵が受けられそうです。今日獣医師向けのセミナーがありました。なんとネットでライブ配信だったので自分の病院に居ながらにして受講することが出来ました。忙しいので助かります。分子標的薬とは抗がん薬の一種といえるでしょう。従来の抗がん薬の多くはがん細胞だけではなく正常な細胞も攻撃して...

プロフィール

familyanimalhospital

ファミリー動物病院(調布市)の診療日誌を時間が許す範囲でつけていこうと思います。https://www.familyah-sengawa.com/
これは日々当院に来院される患者さまにその設備などをお披露目する機会がなかなかないので症例を報告しながら見ていただけたらと思います。
症例報告に当たっては我々がどのような病気と日々奮闘してきたかもご覧いただき、参考にしていただけたらと思います。
症例報告なのでやや生々しい画像も含まれることがありますので見るに当たっては自己責任にてお願いします。

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