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  • 房室ブロック
    犬の心電図の波形です。心臓が拡張して1回収縮するとこのような波形が表れます。心臓は自動性があります。左心房の洞結節で電気信号が発せられ、それが心房へと伝わっていき、房室結節を経て心室に電気が伝わり心臓が縮みます。13歳11ヶ月のシーズー、男の子です。吐いているとの事で来ましたが、体温が下がっています。聴診でかなり脈が少なくなっています。徐脈です。上の心電図の波形と比べるとPとQの距離が離れています。洞結...
  • 耳介辺縁皮膚炎
    10歳9ヶ月のミニチュア・ダックスフンド、男の子です。耳介のフチに皮膚炎があります。カサカサしてカサブタがあります。かゆみがあるらしく、しきりに首を振ります。こういった皮膚炎は垂れ耳の子によく見かけます。立ち耳の子にないわけではありません。食事性(亜鉛の欠乏)やホルモン性、細菌感染による膿皮症、血行障害など様々です。この子の様にかゆみを訴えている子は耳をかいて耳血腫になることがあるので注意が必要です。...
  • 犬の帝王切開
    1歳11ヶ月のメスの犬です。妊娠55日の腹部レントゲン写真です。出産10日前~1週間でレントゲン写真を最低縦横2枚撮影します。これにより、妊娠頭数と骨盤の大きさ、胎児の大きさを確認し、自然分娩できるかを確認しておきます。妊娠頭数を確認することは大事なことなのですが、胎児が重なっていたり、胎児の骨化が薄かったり糞塊が大きかったりすると、1頭前後予想が外れることはあります。それでも妊娠頭数の確認にいたっては超音...
  • 犬の歯石除去
    8歳2ヶ月のチベタンテリア、男の子です。本日は歯のお掃除です。歯みがきをしていないと、歯垢がたまり、石のように硬くなります。歯石は専用の器具を使わないと、取り去るのは難しいです。歯みがきをしている人間でも歯石はついてしまいますので、犬や猫ならなおさらです。人間は口を開けて歯石を取るのに歯医者さんに協力してくれますが、動物はなかなか協力してはくれません。だから鎮静が必要なことが多いです。鎮静なしで除去...
  • 進行性子宮蓄膿症
    6歳4ヶ月のトイ・プードル、女の子です。陰部より生理様出血がありましたが、子宮蓄膿症に多く見られる多飲多尿はありませんでした。白血球の増多もなく子宮の拡張もありませんでしたが、数日でゴハンを食べなくなり腎不全を起こしました。今度は子宮が大きく拡張していました。子宮蓄膿症です。最後まで多飲多尿、白血球の増加は認められませんでした。急性の子宮蓄膿症で腎不全を起こすことは時折見かけられます。手術の成功率を...
  • 保護してもらってよかったね
    生後1ヶ月、まだ体重が400gの三毛猫ちゃんです。ノラネコが外で産んだ子のようですが、網にからまって身動きできない所を今の飼い主さんに保護されました。左の手首と膝下に巻き付いていたようで、血行障害を起こしていました。血液が流れてこなくなることで、足先、手先の細胞は酸素や栄養が来なくなるため壊死します。壊死が進んで、敗血症になり、生命を脅かす可能性が出てきたので壊死した足、手を切除いたしました。切除断端...
  • 犬の肝硬変
    12歳のシーズー、女の子です。定期検診の血液検査で肝臓の数値が上昇したため、本日超音波検査を行いました。肝臓の一部に、より白く描写される部分がありました。肝臓の変性があるようです。カラードップラーを行ったところ、肝臓に入り込む門脈と呼ばれる血管が拡張しておりました。これにより肝臓の変性により血液が送り込みにくい状況がわかります。右の副腎が腫瘍化しているため、副腎皮質機能亢進症があり、過剰に分泌された...
  • 犬の精上皮腫
    12歳3ヶ月の柴犬、男の子です。右の睾丸が左の睾丸に比べて1.5倍も大きくなっています。触診でも通常の弾力ある睾丸ではなく、硬くなっています。腫瘍が疑われたため、睾丸摘出術を行いました。左右ともに摘出いたします。摘出した右睾丸は、形が変形し、硬くなっていました。病理組織検査の結果、精上皮腫(セミノーマ)と呼ばれる悪性腫瘍でした。精巣は男性ホルモンを分泌する細胞と精子を作る細胞とありますが、精子を作る精母細...
  • 歯に何かついてますよ
    10歳4ヶ月のパピヨン、女の子です。口臭がありました。よく見ると右の下の犬歯に何か巻きついてますね。鉗子で取れました。毛が幾重にも巻き付いたものでした。細菌感染を起こして口臭や歯肉炎の原因となります。全身に菌がまわることにより、全身症状を引き起こすこともあるので注意が必要です。お大事に。ファミリー動物病院...
  • 手術、順調に終わっています
    13歳7ヶ月のチワワ、男の子です。春のフィラリアの血液検査で来られたのですが、最近元気が無いとのことです。肝臓の数値も高かったため、超音波検査を行いました。肝臓自体に大きな問題はありませんでしたが、脾臓に腫瘤が見つかりました。脾臓の腫瘍は増大後、やぶれて腹腔内で大出血を起こしてしまうことがありますので、本日摘出いたしました。表面がボコボコしてますね(白い円内)。脾臓には何本もの血管が入り込んでいます。...

プロフィール

familyanimalhospital

ファミリー動物病院(調布市)の診療日誌を時間が許す範囲でつけていこうと思います。https://www.familyah-sengawa.com/
これは日々当院に来院される患者さまにその設備などをお披露目する機会がなかなかないので症例を報告しながら見ていただけたらと思います。
症例報告に当たっては我々がどのような病気と日々奮闘してきたかもご覧いただき、参考にしていただけたらと思います。
症例報告なのでやや生々しい画像も含まれることがありますので見るに当たっては自己責任にてお願いします。

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