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  • 猫を保護したら
    生後70日位の子猫を保護されたそうです。すでに猫を飼われていて、その猫は外へは出ません。このような環境下で新たに外猫を家族として迎え入れる際、やはり感染症を持ち込むことが心配です。まず外部感染症です。ノミやダニ、シラミ、真菌などですね。保護した猫は毛にフケのような白いものがいっぱい付いていました。顕微鏡で見ると毛にしっかりと付着したシラミの卵でした。シラミの感染症です。フケとのおおまかな見分け方は、...
  • 犬の耳ダニ
    生後7ヶ月のボーダーコリー、男の子です。耳垢が大量に出てかゆがりだしたとのことでした。生後3ヶ月の時の検査ではマラセチアと呼ばれる外耳炎では一般的な常在菌(カビの一種)による外耳炎でしたが今回の検査では耳ダニが検出されました。このように真っ黒い耳垢の時、痒みのひどい時は要注意です。耳ダニはこのように顕微鏡で見てこの大きさなので、肉眼で診断することは難しいです。また、寄生虫なので産卵して増えていくわけで...
  • 複合乳腺腫でした
    先日の乳腺腫摘出手術の病理検査結果です。転移性のない良性の腫瘍でした。避妊手術前に過形成を起こした乳腺が原因でしょう。悪性でなくてよかったです。お大事に。ファミリー動物病院...
  • 犬の動揺歯
    11歳11ヶ月のパピヨン、女の子です。最近口を触ると嫌がるとのことです。流涎も見られ、口臭もありました。本日、口腔内処置を行いましたが、上の犬歯がすでに歯周病でぐらぐらと動揺しておりました。歯周囲炎によるものです。こうなると温存はできません。自然界と違い、獲物に攻撃もしくは離さないなどといった犬歯の役割はありませんので、感染源となるこういった歯は抜歯の必要があります。放っておくと、鼻漏、鼻血、くしゃみ...
  • 異物の正体は?
    昨夜診断確定した症例ですが、腎前性腎不全の補正ができたところで、本日朝の外来診察前に緊急手術をしました。診断通り、腸に何か詰まっています。手術直前の超音波検査でも昨日から全くこの異物は動いていませんでした。腸閉塞です。小腸を切開して異物を取り出しますが、異物直下の小腸を切開はしません。異物による圧迫、炎症により小腸の構造が弱くなっており、切開した傷が治りにくいからです。同じ理由で、異物の胃側の小腸...
  • 犬の腸閉塞
    12歳5ヶ月のミニチュアダックス、女の子です。吐いて食欲が無いとのことでした。血液検査でCRPが上昇し、体の中で激しい炎症があることを示していました。LIPも著しく上昇し、膵炎であることを示していました。脱水も起こし始めておりました。腹部痛もあります。腹部レントゲン写真では胃の拡張が見られるものの、確定診断できるような情報はありませんでした。直ちに血管を確保し、静脈内点滴を行いました。確定診断をするために...
  • 犬の膀胱結石
    10歳3ヶ月のMIX犬、男の子です。尿に血が混ざったとのことでした。その後の尿は肉眼的には血液は見当たらなかったそうですが、検尿用に持ってきてもらった尿を遠心分離器にかけると、固体成分である赤血球や膀胱上皮、炎症細胞などはこのように底に集まります。やはり血尿のようです。腹部レントゲン写真を撮影しますと、膀胱内に白い影がいくつか写っています。骨と同様に白いことから、カルシウムに富んだ膀胱結石があることが分...
  • 乳腺の過形成でした
    先日摘出した腫瘤はやはり乳腺でした。猫の乳腺腫瘤はほとんどが乳癌なので、とても稀なケースです。拡張した乳管、乳腺腺房細胞が認められ、卵巣機能亢進が関与していると思われます。猫は交尾排卵動物なので、交尾するまで基本的に発情が持続しますので、非常に稀なケースですが大きく乳腺が過形成したのでしょう。いずれにせよ、今回避妊手術により卵巣、子宮を摘出しておりますので、落ち着くことでしょう。ファミリー動物病院...
  • 犬の歯根尖炎による眼下膿瘍
    8歳3ヶ月のトイ・プードル、男の子です。左目の下が腫れたとの事で、お薬を飲んでいました。一見、腫れもなくなり、きれいに見えます。毛を刈ると、やっぱり治りきっていませんね。この部分の潰瘍はこの歯が原因のことがほとんどです。このケースは肉眼でもすでに歯肉の後退があり、歯周疾患がわかるほどでしたが、肉眼的にわからないこともよくあります。歯の根元が感染を起こしているため、頬が腫れたり膿が出るのですが、この歯...
  • 犬の乳腺腫
    10歳5ヶ月のヨークシャー・テリア、女の子です。左の第2乳頭に硬いしこりと周りを囲うように乳腺が腫れています。避妊手術をしておりますが、7歳の時なので何回か発情を経ています。過去の乳腺の過形成が後に腫瘍化する一例です。術前検査で甲状腺機能低下症がありました。甲状腺機能低下の子に麻酔を施すと、非常に覚醒が悪く安定化できないため、高齢の手術の子は必ず測定いたします。内服薬で補正できるので、補正しながら本日...

プロフィール

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ファミリー動物病院(調布市)の診療日誌を時間が許す範囲でつけていこうと思います。https://www.familyah-sengawa.com/
これは日々当院に来院される患者さまにその設備などをお披露目する機会がなかなかないので症例を報告しながら見ていただけたらと思います。
症例報告に当たっては我々がどのような病気と日々奮闘してきたかもご覧いただき、参考にしていただけたらと思います。
症例報告なのでやや生々しい画像も含まれることがありますので見るに当たっては自己責任にてお願いします。

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