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  • 子宮蓄膿症の外科
    先日の症例です。陰部から膿が出るようになりました。子宮蓄膿症です。床にも膿が落ちるくらいです。診断どおりでした。放っておくと多臓器不全を引き起こして命に関わりますので本日手術を行いました。腫大した子宮です。中に膿が詰まっています。破ってお腹の中に落としたら大変です。まずは左の卵巣から摘出いたしました。PKシステムにより素早く動静脈をパウチいたします。これにより子宮内の膿をこぼさずにきれいに摘出できま...
  • 犬の眼振
    14歳6ヶ月のMIX犬、女の子です。頭が右に傾き(斜頚)、眼球が一点で止まらず、左右に振れてしまっています。これを眼振(がんしん)といいます。斜頚とともに前庭疾患の特徴です。前庭とは平衡感覚を担当しているもので中枢や末梢の耳に存在しております。これらのどちらか、もしくは両方が障害され平衡感覚を失う疾患です。めまいによる吐き気を伴うこともあります。確定診断にはMRIやCTが必要ですが、突発性、すなわち原因不明のこ...
  • 犬の子宮系疾患
    7歳2ヶ月のミニチュア・シュナウザー、女の子です。呼吸が荒くなり、元気が無くなったとのことです。熱が40度を超えていました。胸部レントゲンでは問題ありませんでしたが、腹部のレントゲン写真において小腸ではない白いライン(赤い矢印に囲まれているところ)が描写されていました。避妊手術を受けていないことから、子宮である可能性があります。写真にブレがあることからも、激しい呼吸をしていることが分かります。超音波検査...
  • 猫の乳腺腫瘍
    6歳のメス猫です。避妊手術はしておりません。左の第2乳房が腫れているとのことでした。触診上はとても軟らかく、乳房炎のような所見です。レントゲン写真上でも石灰化の所見はありませんでした。念のためにFNA(注射針による細胞診)を行いましたが、特に癌細胞は見つかりませんでした。乳房炎の内科的治療に反応しなかったので、切除致しました。病理検査の結果は良性の乳腺腫瘍でした。猫では乳腺腫瘍のほとんどが悪性腫瘍なので...
  • 犬の指間炎
    9歳2ヶ月の柴犬、女の子です。右の後ろ足を舐めているようです。毛が茶色くヤケていないことから常日頃からずっと舐めていたわけではないようですね。アレルギー等ですと他の足も舐めていたり、常日頃から痒がったりとしています。この高温多湿の時期は皮膚疾患が増えます。細菌や真菌、ノミやダニの活発化などが原因です。散歩から帰った時によく水やお湯で足を洗う子も湿気が残り、皮膚炎を起こすことがあります。塗り薬だと舐め...
  • 皮膚の裂傷
    11歳2ヶ月のボーダーコリー、男の子です。他犬に咬まれてしまいました。右まぶたの上が大きく裂けて開いてしまっています。顔周りは意外と出血します。眼球自体が無傷でよかったです。止血と創傷面保護のために縫合して閉じました。刃物などの鋭利な切り傷と違い、歯のような鈍な裂傷は傷の治りも少し悪いようです。歯に付着している細菌によって化膿することも多いです。今日で受傷1週間でしたが少しまだかかりそうですね。お大事...
  • 爪のトラブル
    13歳6ヶ月のジャック・ラッセル・テリア、男の子です。トイレをした後に後ろ足で蹴って散らかすタイプだそうです。爪を剥いでしまいました。意外と出血するので驚かれます。止血能力が落ちているような病気でなければ、通常は生命に関わるほど出血が続きません。野生の動物においては野山を駆け巡っておりますのでこういったトラブルは普通にあるのでしょう。慌てずコットンなどで圧迫(押さえて)止血しましょう。もちろん動物病院...
  • 胸腔ドレーンの設置
    先日の膿胸の症例です。胸腔内が膿んでおりますので、ドレーンを設置して排膿と胸腔内洗浄を行います。全身麻酔下のもと、専用器具を使用しているところです。もうすでに化膿しているところへの処置ですから、毛刈りや消毒の時間は最小限に素早く設置をしないと動物への負担が大きくなってしまいます。第3肋間を切皮して皮下を進み、第4肋間から胸の中に器具を挿入します。胸腔内を第12肋間まで器具を進め、そこから今度は体の外へ...
  • 高齢犬の皮膚腫瘍
    11歳8ヶ月のMIX、女の子です。手の甲に皮膚腫瘍です。外観上で良性、悪性の確定診断はできません。また、良性であったとしても局所でどんどん大きくなり自潰して出血ということもよくあります。小さいうちに切除することが一番の治療となります。局所麻酔を皮内に注射します。局所麻酔であればその場ですぐに切除できます。切除した部分を縫合して終わりです。切除した腫瘍です。今度は15歳2ヶ月のシーズー、女の子が来院です。あ...
  • 猫の膿胸
    年齢不詳のメス猫です。外猫ちゃんです。ゴハンをここ数日食べないとのことでした。呼吸がとても荒いです。浅く早い呼吸です。病院での緊張でこういった呼吸をする猫もいますが、問診すると自宅でも同じ呼吸をしていたようです。熱も40℃ありました。類症鑑別に熱中症も入りますね。胸部のレントゲン写真(横向き)を撮影しました。呼吸困難のある動物のレントゲン写真は注意が必要です。無理にポージングすると息が苦しくなってしま...

プロフィール

familyanimalhospital

ファミリー動物病院(調布市)の診療日誌を時間が許す範囲でつけていこうと思います。https://www.familyah-sengawa.com/
これは日々当院に来院される患者さまにその設備などをお披露目する機会がなかなかないので症例を報告しながら見ていただけたらと思います。
症例報告に当たっては我々がどのような病気と日々奮闘してきたかもご覧いただき、参考にしていただけたらと思います。
症例報告なのでやや生々しい画像も含まれることがありますので見るに当たっては自己責任にてお願いします。

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