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房室ブロック


犬の心電図の波形です。心臓が拡張して1回収縮するとこのような波形が表れます。心臓は自動性があります。左心房の洞結節で電気信号が発せられ、それが心房へと伝わっていき、房室結節を経て心室に電気が伝わり心臓が縮みます。


13歳11ヶ月のシーズー、男の子です。吐いているとの事で来ましたが、体温が下がっています。聴診でかなり脈が少なくなっています。徐脈です。上の心電図の波形と比べるとPとQの距離が離れています。洞結節で出た電気信号がうまく心室へ送れていないことを表しています。房室ブロックです。房室ブロックの原因には心筋炎、高カリウム血症、心筋梗塞など様々ですが、超音波検査では特に異常はありません。特発性のようです。


ほとんど心電図の波形が表れません。かなりの徐脈です。これでは体中に血液を送るだけ心臓は動いていません。すべての臓器に悪影響が出ます。


こちらはやや緊張して頻脈気味ですが正常な犬の心電図です。治療にはペースメーカーが有効だと思われます。それまでは薬物によるコントロールを行います。ファミリー動物病院

プロフィール

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ファミリー動物病院(調布市)の診療日誌を時間が許す範囲でつけていこうと思います。https://www.familyah-sengawa.com/
これは日々当院に来院される患者さまにその設備などをお披露目する機会がなかなかないので症例を報告しながら見ていただけたらと思います。
症例報告に当たっては我々がどのような病気と日々奮闘してきたかもご覧いただき、参考にしていただけたらと思います。
症例報告なのでやや生々しい画像も含まれることがありますので見るに当たっては自己責任にてお願いします。

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