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猫の斜頚


11歳のメス猫です。突然頭が片側に傾き、フラフラしてしまいました。斜頚です。斜頚はウサギでも見られます。主に水平感覚をつかさどる部位の障害で、内耳や脳の疾患が原因で起こります。全身性疾患から脳障害を起こすこともありますので、血液検査を行った所、貧血と高タンパク血症があることが分かりました。出血のない貧血、脱水のない高タンパク血症は猫伝染性腹膜炎を強く疑う所見です。血液のタンパク質は電気泳動法で検査を行うことでより細かく分析することが可能です。こちらは正常な猫の血中タンパク分画図です。


正常な猫の分画に比べると、5番、すなわちγグロブリンが異常に高値を示しています。猫伝染性腹膜炎の特徴です。猫伝染性腹膜炎(FIP)の指標として、猫コロナウィルス(FCoV)抗体価がありますが、それもやはり高値を示しました。FIPはFCoVが突然変異を起こしたものと考えられ、多くの猫で突然発症する可能性があることを理解する必要があります。FCoVは便で感染するので、多頭飼育の場合は便の速やかな処理が重要となります。FIPは血管に炎症を引き起こし、胸水や腹水といった症状のウェットタイプ、今回のケースのように神経症状が出るドライタイプがあります。治療は炎症のコントロール、対症療法が軸となるでしょう。お大事に。ファミリー動物病院

プロフィール

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ファミリー動物病院(調布市)の診療日誌を時間が許す範囲でつけていこうと思います。https://www.familyah-sengawa.com/
これは日々当院に来院される患者さまにその設備などをお披露目する機会がなかなかないので症例を報告しながら見ていただけたらと思います。
症例報告に当たっては我々がどのような病気と日々奮闘してきたかもご覧いただき、参考にしていただけたらと思います。
症例報告なのでやや生々しい画像も含まれることがありますので見るに当たっては自己責任にてお願いします。

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