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猫の避妊手術


生後10ヶ月の日本猫、女の子です。今日は将来の病気の予防のため、避妊手術を行いました。卵巣腫瘍、子宮蓄膿症などが予防できます。また、最初の発情が来る前だと、乳腺腫瘍の発生リスクが低くなります。これらの病気は中高齢以降、とても好発する病気です。術前検査に問題がなかったので、麻酔前投薬を行なってから全身麻酔を施し、心肺系のモニター、点滴を設置いたします。お腹の毛を刈って消毒を行い、皮膚切開で手術開始です。写真は皮下織を丁寧に剥離し、腹壁を露出しているところです。


腹壁に到達したら、白線と呼ばれる血行の乏しい部分を切開し、いよいよ腹腔内にアプローチします。


左子宮を持って体外にけん引し、左卵巣を摘出しているところです。左の卵巣に赤い丸いもの(緑矢印)が見えます。卵胞です。つまり、現在発情中であったことがわかります。猫は犬みたいに年2回発情出血を起こしません。また、交尾排卵動物なので交尾しないと基本的には発情は終わりません。変な鳴き方をしたりと人と共同生活をする上では弊害となることもあります。避妊手術を受けるとこれらはなくなります。摘出にはPKシステムを利用しますので体内に血管結紮糸や金属クリップなどの異物を残しません。これらの異物反応である将来的な肉芽腫形成を抑制できます。また、従来は糸で結んだりする時間が必要だったので、非常に短時間で安全に手術できます。


同じように右の卵巣を摘出後、子宮を体外にけん引します。猫は双角子宮なので、子宮が左右に分かれています。けん引して左右が1本になった所で子宮を摘出します。子宮もPKシステムにて摘出いたします。PKシステムは全ての動物病院にあるわけではないので、手術を受ける病院の選択肢にするとよいでしょう。


卵巣、子宮の摘出が終わったら、次は閉腹です。腹壁を吸収糸にて閉じた所です。吸収糸はいずれ溶けてなくなります。


次に皮下織を吸収糸で縫合した所です。


皮膚は埋没縫合にて閉じます。糸が外に見えないため、エリザベス・カラーや包帯の必要はありません。このようにお腹は表面だけではなくて3層にわたって縫合してあります。日帰り手術となります。


ここ連日猫の避妊手術が続いておりますが、こちらは昨日手術して摘出した他の猫の卵巣子宮です。生後4ヶ月ですがすでに卵胞があり、子宮も大きく発情しておりました。避妊手術は出来れば生後4ヶ月位がよいでしょう。お大事に。ファミリー動物病院

プロフィール

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ファミリー動物病院(調布市)の診療日誌を時間が許す範囲でつけていこうと思います。https://www.familyah-sengawa.com/
これは日々当院に来院される患者さまにその設備などをお披露目する機会がなかなかないので症例を報告しながら見ていただけたらと思います。
症例報告に当たっては我々がどのような病気と日々奮闘してきたかもご覧いただき、参考にしていただけたらと思います。
症例報告なのでやや生々しい画像も含まれることがありますので見るに当たっては自己責任にてお願いします。

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