プレーリードッグとはリス科の動物です。警戒の時に発する声が犬の鳴き声のように聞こえたことからドッグと付いております。北アメリカ原産で体長40cm前後でペットしても人気がありました。ところが、203年3月より日本国内の輸入が禁止されており、現在飼育されているものはそれ以前に国内に入ってきて国内で繁殖されているものです。寿命は飼育下では10年前後でしょうか。

7歳9カ月の男の子です。食欲が減ってきており、飼い主さんが一生懸命与えている状況です。診察を始めて、触診していたところ前腹部(お腹の中)に大きなしこりがありました。

レントゲン写真の準備画面です。デジタル処理レントゲンはこのようにプレーリードッグの項目もあります。

まず、横向けの写真を撮ります。一次放射線を浴びないように保定者の手が照射範囲から出るようにうまく保定します。保定とは処置を行うために動物を安全に拘束することで、決して動物を無理に抑えつけるものではありません。これも獣医師や動物看護士のテクニックの一つでスキルが必要です。照射範囲がわかるようにレントゲン撮影室はやや暗めにしておりますので写真もそうなっております。

実際撮れた写真です。デジタル処理レントゲンは長さを測ることもできます。斜線が腫瘍(白い影)の直径を表しています。

今度は仰向けの写真を撮ります。レントゲン写真はほとんどの場合最低2方向から撮り、その診断精度を上げます。

実際撮れた写真です。横向きの時と同じく腫瘍(白い丸い影)が写っております。動物の大きさから考えるとかなり大きなものとなります。

超音波検査(エコー)の出番です。

プローブと呼ばれる部分を動物にあてがいます。その先から超音波を発し、そのはね返りの違いを画像化していきます。よく産婦人科で見ることがありますね。

実際のこの子の映像です。赤い丸い部分が腫瘍です。これにより肝臓にあることがわかりました。

以前
ファミリー動物病院で肝臓腫瘍(写真指先)を手術したプレーリードッグの写真です。この子の現在の状況(長期の食欲廃絶)、年齢(人間で言うと還暦過ぎた頃)、腫瘍の大きさなどのリスクをインフォームドコンセントし、飼い主さんとはとりあえず外科を回避するとの話となりました。何とか内科療法などでQOL(生活の質)を保っていけたらと思います。お大事に。