10歳10ヶ月のミニチュアダックス、女の子です。一般的な長さの綿棒を食べてしまったかもしれないとのことでした。その後一回吐いたとの事なので催吐剤は意味がありません。吐物の中に綿棒がなかったそうですから。皮膚を透けて撮影できるレントゲン写真、綿棒も透けることでしょう。こちらがレントゲン写真です。①はマイクロチップが写っています。金属だからはっきりとわかります。②は以前胆嚢摘出手術を行っておりますのでその際使用した金属クリップ、やはり金属だからはっきりと写っております。③に綿棒を配置して撮影しております。ファミリー動物病院ではレントゲンにDRシステムを導入しておりますので綿棒も写っております。長さは赤い線と同じです。写ってはおりますが、胃の中にあった時には周りと色が同じなので判別は難しいでしょう。ただ、この直線的な物質だから判別できることもあります。綿棒くらいの長さであれば丸飲みできます。噛んで飲んだんであればそれは便で出るでしょう。生き物の体の中で全くの直線的な物は存在せず、この不自然な直線物が胃や腸を直線で描写することによって存在がわかることがあるため、レントゲン写真を撮影することに意味はあるでしょう。飲んだことが確実にわかっていいるのであれば除去もできるし内視鏡が一番でしょう。ただし、不確かなものに全身麻酔が必要な内視鏡は動物医療においては手軽とは呼べないでしょう。今回は紙軸綿棒なため、便で排泄される可能性も十分ありますが、そもそも飲んでいなかったと思われました。いたずらには要注意です。お大事に。
ファミリー動物病院