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点滴にもいろいろあります

点滴のイメージは、肘の内側の血管に針を入れ、ぽたぽたと点滴液を入れていく光景が思い浮かぶと思います。もちろん動物も静脈を確保して点滴を入れていく、いわゆる静脈点滴も可能です。利点も多いのですが、動物の場合難点もあります。動物はじっとしていてくれません。動き回って点滴のラインが絡まったり、針が外れてしまったり、咬んでしまったりと大変です。また、点滴の間入院しなくてはなりません。時としてこの入院が動物にとってストレスとなり、治癒を遅くしてしまうことだってあります。


17歳11カ月の男の子のトイプードルです。来月18歳になります。この子は老化に伴い、昨年あたりより腎機能の低下が認められました。治療としましては人工透析を行いたいところですが、動物医療ではなかなか実現が難しいのが現状です。そこで多くの病院は腎臓透析といって、まだ生き残っている本人の腎臓をフルに活用するという方法をとっています。それが点滴です。腎臓ではある程度の血圧を利用して尿を生成しております。点滴によりその圧を少し上げてやり、尿の生成を助けたり血液中の溜まってしまった毒素を希釈したりしてあげます。すでに腎性高血圧が起こっている子には難しいですが。


そこでこの子は週に1回点滴に来ております。点滴の方法も静脈点滴ではなくて、この様に皮下点滴という方法で行います。


針先のアップです。皮膚の下に点滴の液を入れていきます。この方法だと入れる点滴の量により違いがありますが、5分から10分くらいで終わりますので、入院の必要がなくその分費用も下げることができます。皮下に入れられた点滴によって、ラクダのこぶのようになりますが、周りの毛細血管に○○圧を利用して血液の中に取り込まれ、ちゃんと点滴の効果を得ることができます。○○圧はきちんと勉強している獣医さんは答えることができます。間違った答えとしては浸透圧です。


このような翼状針という針を使うと注射しやすいです。ワクチンや薬剤の投与(皮下注射)と違って、1回に入れる薬剤の量が多いので、多少動物が点滴中に動いても注射器と針の間に可動域ができ、針が抜けてしまわなくてよいです。また来週会いましょうね。そして長生きして18歳の誕生日を迎えましょうね。お大事に。ファミリー動物病院

プロフィール

familyanimalhospital

ファミリー動物病院(調布市)の診療日誌を時間が許す範囲でつけていこうと思います。https://www.familyah-sengawa.com/
これは日々当院に来院される患者さまにその設備などをお披露目する機会がなかなかないので症例を報告しながら見ていただけたらと思います。
症例報告に当たっては我々がどのような病気と日々奮闘してきたかもご覧いただき、参考にしていただけたらと思います。
症例報告なのでやや生々しい画像も含まれることがありますので見るに当たっては自己責任にてお願いします。

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