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体型にだまされないでね


5歳10カ月の女の子です。今日はここ3、4日便が出てないとのことです。食欲はあるそうですが.....。


お腹がずいぶん大きいです。太っているのでしょうか?


触診ですぐにお腹が大きいのは太っているのではなく、液体がたまっていることが分かりました。レントゲン写真でも確認いたしました。動物の右側を下にして撮影した腹部のレントゲン写真です。液体はレントゲン上白く写るため、お腹の中の臓器が見えにくくなっています。便は写っておりませんので、便が出ないのではなくて、思っていたより食事を取っていない可能性があります。


こちらは正常な猫の腹部レントゲン写真です。やや肥満の猫ちゃんです。腹部に付いた脂肪のおかげでそれぞれの臓器を引き離してくれるため肝臓や腎臓、膀胱などがよく見えますね。


レントゲン写真を見るとこの子はやせているのがわかります。背骨のところのアップですが背中に皮下脂肪が少ないため手でなでるとゴツゴツと背骨の棘突起(きょくとっき)と呼ばれる部分に触れてしまいます。もともとやせ型なら良いのですが、普段から背中をなでてこの棘突起に触れ過ぎないかチェックしておきましょう。


太っている子はこのように棘突起のてっぺんと皮膚の間(白い矢印)にきちんと肉が付いてるのでゴツゴツと手でさわることができません。適度に触れるのがちょうど良い体型です。


レントゲン写真や超音波検査では液体がたまっているのはわかるのですがその液体が血液なのか血漿、膿、乳び、尿なのかははっきりとわかりません。超音波検査で位置を確認してお腹に直接針を刺し、液体の種類を突き止めることで原因を探ります。


採取したお腹の中の液体はやや黄味がかった透明な液体で、腹水であることが分かりました。このようにとても粘稠性(ねんちゅうせい・ねばねばしていること)があり、フィブリンと呼ばれる炎症性疾患に増えてくるものを多量に含んでいるようです。このような性状の腹水を猫で見かけた場合、猫伝染性腹膜炎を疑います。抗原検査に送ることにいたしました。腹水は心疾患や肝疾患、低アルブミン血症なども考えられますが血液学的検査や心臓の聴診、レントゲン写真では大きな異常はありませんでした。採取した腹水にはいろいろな情報が詰まっているため、分析結果を待ちたいと思います。それまではうまく維持治療をしていきましょう。お大事に。ファミリー動物病院

プロフィール

familyanimalhospital

ファミリー動物病院(調布市)の診療日誌を時間が許す範囲でつけていこうと思います。https://www.familyah-sengawa.com/
これは日々当院に来院される患者さまにその設備などをお披露目する機会がなかなかないので症例を報告しながら見ていただけたらと思います。
症例報告に当たっては我々がどのような病気と日々奮闘してきたかもご覧いただき、参考にしていただけたらと思います。
症例報告なのでやや生々しい画像も含まれることがありますので見るに当たっては自己責任にてお願いします。

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