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70cmも!


9カ月のトイ・プードル、男の子です。3日前より食事の後吐いてしまうとのことです。元気もなくなってきたようです。触診で腹部に圧をかけると痛みがあるようです。


単純な胃腸炎でないと思われましたので、早速レントゲン写真を撮影しました。仰向けの胃付近のアップ写真です。吐いて食事を摂っていないはずなのに胃の中に何か写っています(赤い円内)。


こちらは正常な犬の空腹時の写真です。呼吸により飲み込んだ空気が胃の中に含まれて黒く抜けた像になってます。上の写真との違いがわかりますでしょうか?


確認のためバリウムを飲ませました。動物は自分で飲んでくれないため、カテーテルという管を使って直接以内にバリウムを投与します。緑色の道具はバイトブロックといってカテーテルを噛まれないようにするものです。


バリウムを飲ませてから2時間経っても全くバリウムが腸へ流れていきません。胃内異物だけではなさそうです。胃の出口(幽門・ゆうもん)を完全にふさいでしまっているようです。


こちらは正常な犬の同じくバリウム投与後2時間後の仰向けの写真です。すでに胃の中のバリウムはほとんどなくなっており、すでに小腸を通り過ぎ大腸である結腸や直腸までちゃんと流れております。


すぐに手術の許可をいただき、夕方より手術を開始しました。胃を体外へ引き出したところです。


胃を切開していよいよ胃内を確認します。飲ませたバリウムが胃壁に見えますね。


診断通り異物が出てきました。何でしょうか?


胃内の異物を取り出しましたがまだひものようにつながっていて、なんと小腸の方まで伸びています。


慎重に引っ張り出していきます。小腸の方に相当長くつながっている異物です。


あまりにも長く胃の切開部から引き出せなくなったため、小腸の一部を切開して小腸からも異物を引き出します。黒い髪の毛みたいなのも見えます。


全ての異物を取り出せましたので、切開部を縫合いたします。胃を縫合したところです。


切開した小腸を縫合したところです。


腹壁、皮下織、皮膚と縫合して手術完了です。埋没縫合なので糸が見えません。


取り出した異物の全容です。オーナーに確認していただいたところ、人の毛髪や犬自身の毛、バスマットの布、ジャージなどのズボンのひもなどでした。いっぺんに飲んだわけではなく、徐々に胃の中にため込んでいったのでしょう。全体の長さは70cm強でした。


胃内にあった異物のアップです。いろんな毛が複雑にからみあって、毛玉状になっています。小腸まで行っていたので内視鏡では摘出できなかったでしょう。しばらく入院になります。がんばろうね。ファミリー動物病院

プロフィール

familyanimalhospital

ファミリー動物病院(調布市)の診療日誌を時間が許す範囲でつけていこうと思います。https://www.familyah-sengawa.com/
これは日々当院に来院される患者さまにその設備などをお披露目する機会がなかなかないので症例を報告しながら見ていただけたらと思います。
症例報告に当たっては我々がどのような病気と日々奮闘してきたかもご覧いただき、参考にしていただけたらと思います。
症例報告なのでやや生々しい画像も含まれることがありますので見るに当たっては自己責任にてお願いします。

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