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尿道・膀胱結石の手術


8歳4カ月のチワワ、男の子です。先日、尿道および膀胱に結石が見つかった子です。処方食に慣れ始めた頃ですが、やはり結石が時々尿道に降りてきてしまい、体外まで排泄できればよいのですが出ないために本日手術となりました。最近膀胱結石の手術がとても多い気がします。


手術の準備開始です。ペニスの下あたりに膀胱があります。女の子と違いこのようにペニスが邪魔で、お腹の切開は男の子の場合はやや大変です。後に重要となるカテーテルと呼ばれる管を尿道に設置します。


ペニスを動物の左側によけて、腹部に切開を入れていきます。皮膚を切開すると手術部位を横断する大きな血管があります。


そのまま切開すると出血してしまいますので、きちんとバイポーラと呼ばれる電気メスで止血しておきます。


皮下織、腹壁と切開し、腹腔にアプローチできたら膀胱を体外へけん引し、膀胱に支持糸をかけて膀胱が体の中に戻らないようにして切開します。膀胱内の結石を取り出しているところの写真です。体重1.9kgの子なので膀胱もとても小さいです。


摘出した全ての尿道・膀胱内の結石です。尿道内の結石は先ほどの尿道カテーテルより滅菌生理食塩水で膀胱内に押し戻し、膀胱より摘出いたします。


膀胱を2層縫合して閉じたところです。今度は尿道カテーテルから滅菌生理食塩水を入れて膀胱を膨らませ、漏れていないかを確認します。


手術創の大きさからも、とても小さな子の手術だったのが分かります。


すごい歯石です。白い歯が歯石で見えません。


超音波スケーラーで歯石を除去します。歯は1本も抜いてません。歯と歯の間も歯石でできたダムのようでした。


歯の裏まで歯石でビッチリです。


手術と並行して歯石除去を行いますので、麻酔時間の延長はございません。


下の犬歯も歯石でいっぱいです。


歯石を取ると口臭も無くなります。


歯ではありませんよ。取れた歯石の数々です。付いていた歯の形にきちんと凹んでますね。飼い主さんの希望で日帰り手術です。お大事に。ファミリー動物病院

プロフィール

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ファミリー動物病院(調布市)の診療日誌を時間が許す範囲でつけていこうと思います。https://www.familyah-sengawa.com/
これは日々当院に来院される患者さまにその設備などをお披露目する機会がなかなかないので症例を報告しながら見ていただけたらと思います。
症例報告に当たっては我々がどのような病気と日々奮闘してきたかもご覧いただき、参考にしていただけたらと思います。
症例報告なのでやや生々しい画像も含まれることがありますので見るに当たっては自己責任にてお願いします。

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