
6歳のトイ・プードル、男の子です。これは2日前の写真です。右目を細めていますね。この状態を羞明(しゅうめい)とよびます。皆さんも眩しい時に目を細めることがありますね。そのような瞼(まぶた)の開け方を眩しくないのにしております。このように目を細めたりとか、目をシバシバと瞬き(まばたき)するような行動をとったら、それは目が痛い時です。

結膜が浮腫(ふしゅ)をおこしております(赤い矢印)。瞳孔という目の奥に光を取り入れる穴が縮んで小さくなっています(縮瞳・黒い線の間)。縮瞳も目が痛い時に見られます。

スリットランプで目の状態を確認いたしました。この器具は眼瞼(がんけん・まぶた)から目の中の硝子体前方までを観察することができます。角膜に問題がありそうです。

眼圧に問題はないようです。フルオレセインという蛍光色の染色液で、角膜上皮の損傷の程度を調べます。

スリットランプでコバルトブルーの光を当てるとより見やすくなります。角膜上皮に損傷がある部分だけ、染色液が残ります。緑が濃く残っている部分が角膜に受けた傷となります。これが原因で痛かったんですね。早速点眼薬の開始です。

そして今日検診に来ました。右目の羞明がなくなりました。パッチリ開いてますね。痛みがなくなったようです。

結膜の浮腫はなくなりました。瞳孔も元の大きさに広がっています。点眼2日目にしてはとても順調です。角膜が青白くなっておりますが、角膜炎をおこすと厚みが増しますので透明度が下がって青白く見えるのです。これも治る過程で無くなっていきます。それではお大事に。
ファミリー動物病院