
3歳8カ月のアメリカン・ショートヘアー、男の子です。左目をウィンクしたみたいになってますね。羞明(しゅうめい)です。目を細める行動です。これは目に痛みがあることをうったえております。

コバルトブルーの光を当ててみるとよくわかりますね。白い矢印のところが健康な角膜、フルオレセインに染まっていません。赤い矢印の先はフルオレセインが残っておりますので、角膜に障害があることがわかります。角膜を傷つけてしまっているようです。室内飼いで、異物は入っておりませんでした。もうひとり、猫を飼ってらっしゃいますので、二人でいたときに運動会でもしてしまったのかもしれませんね。

フルオレセイン染色だけではなく、このスリットランプで目を診察することで、傷の深さも見ることができました。早速角膜潰瘍の治療を開始いたします。

6歳2カ月のフレンチブルドッグです。目をこすりだしたで来院しました。こすった後に目をシバシバしたり、細めたりしてました。上の症例と同じようにフルオレセイン染色ですでに角膜に傷が見つかっていましたが単なる角膜潰瘍でしょうか?

こちらはトノベットという眼圧を測る器械です。矢印先の白い球の部分を角膜表面に当てることで、眼圧が測れます。痛みなどが無いので点眼麻酔も必要ありません。人間だと目に風を当てる検査をしたことがありませんか?あれが眼圧検査です。するとこの子は眼圧が上がっております。この状態を緑内障といいます。失明につながる病気です。目をこすってしまって角膜を傷つけてしまったのは確かですが、なぜこすったかというと、眼圧が上がって目が痛いからこすったのです。もしフルオレセイン染色のみで、上のアメリカンショートヘアーの猫ちゃんと同じ、角膜潰瘍の薬だけだったらもっと悪くなってしまうのです。

ちなみに猫の眼圧はこのトノペンという器械の方を使います。トノベットでも測れないことはありませんが、猫の角膜の厚みが不正なため、トノペンの方がよいようです。ただ、トノペンは点眼麻酔が必要です。猫での緑内障は犬よりは少ないです。このように目の診察を受ける場合は、眼圧が測れた方がよいでしょう。お大事に。
ファミリー動物病院